今注目の分散型サイエンス（DeSci）トークン10選【2025年6月版】

従来の科学研究の世界では、研究成果へのアクセスの制限、中央集権的な資金調達機関への依存、論文の公開までにかかる長い時間といった課題が存在します。DeSci（分散型サイエンス）は、こうした問題を解決するために、分散型自律組織（DAO）、トークンによるインセンティブ、オープンアクセス出版などの手法を活用し、より効率的で公平な科学エコシステムの構築を目指します。

今回の記事では、注目すべきDeSciプロジェクトと、それらが暗号資産業界にもたらす可能性のある革新について紹介します。

DeSciとは？

DeSci（Decentralized Science／分散型サイエンス）は、ブロックチェーンの原理を科学研究に応用する新しいムーブメントです。研究資金の調達・共同研究・データ共有を、よりオープンかつ透明にすることを目指しています。

これまでは分散型金融（DeFi）が、仲介者を排除して直接取引を可能にし、誰もがアクセスできる金融商品を生み出すことで、金融の仕組みを変革しました。DeSciも同様に、研究資金の調達方法を変える可能性を秘めています。例えば、暗号資産によるクラウドファンディングや、査読への報酬トークン、ブロックチェーンによるデータの真正性の保証などがその一例です。

DeSciの発展はまだ初期段階にありますが、関心は確実に高まっています。分散型資金調達、NFTを使った知的財産権の管理、オープンアクセスな科学データの提供といった分野で、すでにいくつかのプロジェクトが動き始めています。研究者や研究機関がブロックチェーンのメリットである、「再現性の向上・資金調達のしやすさ・知見の共有」に気付き始めていることから、今後さらに導入が進むと考えられます。もしDeSciがDeFiのような成長を遂げれば、科学研究の在り方や資金の流れを大きく変える可能性があります。

従来の研究資金調達が抱える問題

革新的なアイデアを現実にするには、科学者には研究・データ収集・成果発表のための資金が必要です。しかし、従来の資金調達プロセスには多くの障害を伴うことも事実です。

資金を調達するのは簡単ではありません。科学者たちは政府機関や民間組織の助成金に依存していますが、これらは申請手続きが煩雑で、既存の実績がある研究者や注目分野に偏りがちです。その結果、有望であっても無名の研究者による革新的なアイデアが埋もれてしまうことがあるといいます。

また、多くの科学的ブレイクスルーは、過去の研究を再現することに基づいていますが、データや手法の詳細が非公開であることが多く、再現性の低さが問題になっています。これにより、研究の正当性に疑問が生じ、他の研究者が同様の実験を行っても無駄になってしまうことがあります。

さらに、科学研究は孤立しがちです。独立系の研究者は、必要なデータやリソースへのアクセスが限られており、国境を越えた協力も複雑で時間がかかります。これらの要因は科学の進歩を遅らせ、イノベーションの妨げとなっています。

DeSciが目指す科学研究資金の変革

DeSciは、暗号資産に使われるブロックチェーン技術を活用することで、こうした課題に挑み、より効率的・透明・包括的な研究コミュニティの構築を目指しています。ここでは、DeSciがどのように各課題に取り組もうとしているのかを紹介します。

分散型資金調達とインセンティブ構造

DeSciは、分散型自律組織（DAO）やトークン化を活用することで、従来の中央集権的な資金調達モデルから脱却することを目指します。

DAOはオンライン上のコミュニティで、メンバー全員が意思決定に関与できる組織です。DeSciにおいては、DAOを通じて暗号資産トークンで資金を集め、そのトークンの保有者には投票権や、将来的な研究成果の一部に対する権利が与えられる可能性があります。これにより、インターネットにアクセスできる誰もが、価値があると感じる研究プロジェクトに投票し、支援することが可能になります。

また、DeSciプラットフォームは特定の研究プロジェクト向けのクラウドファンディングキャンペーンを立ち上げることもできます。これにより、一般の人々が自分の関心のある研究をダイレクトに支援できるようになり、従来の資金調達モデルが抱えるボトルネックを解消する可能性があります。

オープンアクセスと透明性のあるデータ共有

DeSciは、ブロックチェーン技術による安全で改ざん不可能なデータ保存を活用し、研究者同士のデータ共有と協力を促進します。これは、「世界中の研究者が場所を問わず独立して検証できる環境」を整えることにもつながります。オープンな姿勢をとることで、科学的発見への貢献が適切に評価される仕組みが生まれます。

研究データをブロックチェーン上に記録すると、データの改ざんリスクが減少し、研究結果の信頼性が高まります。DeSciにおける共有データプラットフォームは、研究者同士の国際的な連携を促し、データへのアクセス・分析・実験の再現・検証といったプロセスを円滑にします。これにより、既存の知見をベースにした新たな発見が加速します。

DeSciがもたらすメリット

DeSciは、資金調達の障壁を下げ、国際的な研究協力を促進することで、科学的発見のスピードを大幅に向上させる可能性があります。世界中の優れたアイデアが平等に支援を受け、医療やテクノロジーなどさまざまな分野でブレイクスルーを生むことが期待されます。

科学への関心の高まり

DeSciは、従来のように研究成果を「消費するだけ」でなく、誰もが科学的プロセスに「参加できる」ようにします。つまり、インターネットさえあれば、誰でも研究プロジェクトへの資金提供・データ提供・専門知識の共有などを通じて貢献できます。これにより、より包括的で協力的な科学の文化が醸成されます。

研究における信頼性と透明性の向上

DeSciは、研究資金の流れやデータの取り扱いを透明化することで、科学機関や研究プロセスへの信頼を高めることが可能です。科学データを公開することにより、誰でも研究結果を検証できるようになり、健全で信頼できる科学コミュニティの形成に貢献します。

DeSciが抱えるリスク

DeSciは大きな可能性を秘めている一方で、リスクも存在します。研究者や関係機関、投資家にとって、これらの課題を理解しておくことは非常に大切です。

詐欺プロジェクトの存在

DeSciプロジェクトの多くはまだ初期段階にあり、十分な資金や技術が整っていないこともあります。これにより、詐欺や低品質のプロジェクトに遭遇するリスクは、既存の市場よりも高いことは事実です。なかには、あたかも科学的なブレイクスルーのように見せかけて、実際は詐欺的な内容だったという「Theranos事件」のようなケースも想定されます。

法規制と法的な不確実性

DeSciを取り巻く法制度はまだ整備途上です。この規制の曖昧さが、研究者や投資家にとって不安要素となっています。例えば、予期せぬ規制変更によってプロジェクトが中断されたり、参加者に法的リスクが及ぶ可能性もあります。また、DeSciプラットフォームは、データを安全に保護しつつ、研究の進展に必要な分析を許容する仕組みを持つ必要があります。特に不確実な状況下では、「データのプライバシー保護」と「透明性・研究進展の両立」が重要な課題となるでしょう。

ブロックチェーン技術に関する技術的課題

DeSciはブロックチェーンによって安全な基盤を提供しますが、それでも技術的な壁は残っています。DeSciプラットフォームは、技術スキルの異なる研究者でも使いやすい設計である必要がありますし、ユーザー数や扱うデータの複雑さが増しても対応できるように拡張性も求められます。さらに、インフラ全体をハッキングや情報漏洩から守るための強固なセキュリティも欠かせません。これにより、機密性の高い研究データの安全性と信頼性が保たれます。

DAOによるガバナンスが抱える倫理的課題

DeSciでは、資金提供や意思決定をDAOによって行います。これは従来の仕組みを根本から変える可能性がありますが、一方で新たな倫理的問題も引き起こします。例えば、資金を多く持つ「クジラ（whale）」と呼ばれる大口保有者が、投票に過度な影響を及ぼす「クジラ投票」が起きれば、研究資金が一部のステークホルダーへの利益に偏る恐れがあります。またこのようなバイアスによって、有意義な研究が見過ごされる可能性もあります。

時価総額トップのDeSciプロジェクト10選【2025年6月時点】

ここでは、現在の科学界が抱える課題に取り組んでいる代表的なDeSciプロジェクトを紹介します。DeSci分野の発展に伴い、さまざまな科学分野に対応した革新的なプロジェクトの登場が期待されています。

1. OriginTrail（TRAC）

OriginTrailは、研究資材のサプライチェーンを透明かつ信頼可能にすることでDeSciに貢献しています。HippocratやVitaDAOのような純粋なDeSciプロジェクトとはやや異なるものの、研究者がデータの出所を追跡できるようにすることで、オープンデータと信頼性の向上というDeSciの目標を支援しています。

また、OriginTrailの技術は、臨床試験におけるデータの再利用性や再現性を高め、研究者同士の協力を促進します。オープンソースを採用しているため、他のDeSciツールとの連携も容易であり、より接続性の高い科学研究の基盤づくりに貢献しています。支援者にはOutlier VenturesやSwisscom Blockchainなどが名を連ねています。

コントラクトアドレス：
https://etherscan.io/token/0xaa7a9ca87d3694b5755f213b5d04094b8d0f0a6f

2. Bio Protocol（BIO）

Bio Protocolは、科学研究の資金調達および実施のあり方を抜本的に変えようとする革新的なプロジェクトです。運営プロセスの分散化により、研究者は従来の障壁に縛られることなく、さまざまなリソースにアクセスできるようになります。さらに、成果のオープンな共有を促すことで、透明性を高め、科学の進展を加速させることを目指します。

研究者同士は、分野や国境を超えて協力し、専門性やリソースを統合することで、研究の質を向上させることが可能です。また、Bio Protocolは多様な資金提供モデルに対応しており、個人・団体を問わず、支援者が研究プロジェクトを直接サポートできる設計になっています。

コントラクトアドレス：
Solana版: https://solscan.io/token/bioJ9JTqW62MLz7UKHU69gtKhPpGi1BQhccj2kmSvUJ
Ethereum版: https://etherscan.io/token/0xcb1592591996765ec0efc1f92599a19767ee5ffa

3. AxonDAO Governance Token（AXGT）

AxonDAOは、神経科学研究における分散型ガバナンスを実現するために設計されたプロジェクトです。AXGTトークンを活用することで、神経科学コミュニティの関係者が資金提供やプロジェクト選定に関する意思決定プロセスに積極的に参加できます。

AxonDAOの主な目的は、研究イニシアチブの支援を従来の階層構造ではなく、コミュニティの合意に基づいて行うことで、公平性と透明性を促進することです。この仕組みにより、研究者・臨床医・神経科学の愛好家がプロジェクトの提案などを行い、それに対してコミュニティがAXGTトークンを用いて投票することが可能となります。これにより、有望で影響力のあるプロジェクトが支援を受けられる仕組みとなっています。

コントラクトアドレス：https://etherscan.io/token/0xDd66781D0E9a08D4FBb5eC7BAc80B691BE27F21D

4. Hippocrat（HPO）

Hippocratは、安全かつ透明性の高い臨床試験データの管理で知られる代表的なDeSciプロジェクトです。分散型の患者ネットワークとして機能し、人々が自身の健康データを管理できるようにすることで、個別化医療の質を向上させます。

ブロックチェーン技術を活用することで、Hippocratは臨床試験データの改ざんを防ぎ、研究への信頼を築き、結果の独立検証を可能にします。また、安全なデータアクセスや参加者の同意管理機能も備えており、プライバシー法にも準拠していると主張しています。臨床試験データに信頼できるプラットフォームを提供することで、科学の透明性と信頼性の向上に貢献しています。

コントラクトアドレス：https://etherscan.io/token/0xfE39C384D702914127a005523f9915ADDB9bd59b

5. ResearchCoin（RSC）

ResearchHubは、科学研究における重要な課題を解決することで注目されているDeSciプロジェクトです。まず、研究者が成果を無料で公開・共有できるプラットフォームを提供し、オープンアクセスを推進しています。さらに、研究者同士がデータを共有し、共著論文を作成できるツールを提供することで、コラボレーションを支援します。

これにより、研究プロセスが円滑になり、学際的な協力が促進されます。さらに、ResearchHubは評価ベースのトークン報酬システムを採用しています。査読やデータ共有などの行動に対して、研究者はResearchcoinトークンを獲得でき、それが新たな資金調達や学術的評価につながる可能性もあります。ResearchHubは、オープンアクセス・協力体制・価値ある貢献に対する革新的な報酬制度を通じて研究を支えています。

コントラクトアドレス：https://basescan.org/address/0xfbb75a59193a3525a8825bebe7d4b56899e2f7e1

6. VitaDAO（VITA）

VitaDAOは、科学研究への資金提供のあり方を変革することを目指すプロジェクトです。VITAトークン保有者は、健康寿命や長寿に関連するプロジェクトに対する資金提供の可否について投票することができます。VitaDAOは、健康の改善に関心のある世界中の人々を結集し、従来の資金調達手法では支援されにくい多様な研究を後押しします。

このようなコミュニティ主導型のアプローチは、当事者意識と共通の目的意識を生み出し、より意味のある老化研究を促進します。このプロジェクトは、Pfizer VenturesやBalaji Srinivasanなどが支援しています。

コントラクトアドレス：https://etherscan.io/token/0x81f8f0bb1cB2A06649E51913A151F0E7Ef6FA321

7. HairDAO（HAIR）

HairDAOは、脱毛という深刻な問題に対処するため、共同研究開発を通じた取り組みを進めています。研究資金の提供に加え、脱毛が個人に与える影響についての認知を広げることも目指しています。

コミュニティとの連携を通じて、知識・経験・最新技術の共有が可能なプラットフォームを提供しています。最終的な目標は、持続可能なエコシステムを構築し、脱毛治療のイノベーションを加速させ、当事者の生活の質を向上させることにあります。HAIRトークンは現在$44.03で取引されており、当日の高値・安値データは未公開です。

8. yesnoerror（YNE）

yesnoerrorは、研究における誤りの報告と検証に特化したプロジェクトです。研究者が研究上の誤りや矛盾点を、透明性を持って改ざん不可能な形で報告できるシステムの構築を目指しています。

この取り組みは、都合のよい研究結果ばかりが公表される傾向や、再現性の危機といった問題が顕在化している中で、研究の信頼性と再現性を改善するために重要です。最終的には、科学コミュニティ内に説明責任と信頼の文化を育み、より堅牢で信頼性の高い研究成果の実現を目指しています。

コントラクトアドレス:https://solscan.io/token/7D1iYWfhw2cr9yBZBFE6nZaaSUvXHqG5FizFFEZwpump

9. Bluzelle（BLZ）

Bluzelleは、科学データの保管とアクセス方法を変えるべく、分散型ストレージソリューションの提供に取り組んでいます。従来の中央集権的なストレージに伴うデータ喪失や不正アクセスといったリスクを軽減し、学際的なデータ共有を促進します。

Bluzelleは、科学コミュニティの支援に尽力しており、信頼性が高くアクセスしやすいデータストレージ手段を提供することで、イノベーションと発見の促進を目指しています。NGC VenturesやHashedなどが支援しています。

コントラクトアドレス:https://etherscan.io/token/0x5732046a883704404f284ce41ffadd5b007fd668

10. Galeon（GALEON）

Galeonは、ブロックチェーン技術を活用して分散型病院ネットワークの構築を目指しているプロジェクトです。医療提供者間のデータ共有を効率化し、患者情報の安全かつ透明な交換を実現します。

Galeonは、医療記録へのアクセス性を高め、患者が自身の健康データをより主体的に管理できるようにすることで、医療の質を向上させようとしています。この取り組みによって、医療システム全体の効率化やコスト削減、信頼性の向上が期待されています。

コントラクトアドレス:https://bscscan.com/token/0x1d0Ac23F03870f768ca005c84cBb6FB82aa884fD

DeSciが描く科学研究の未来

DeSciは、科学研究の未来に向けてワクワクするようなビジョンを提示しています。ブロックチェーン技術によって、従来の科学に存在していた資金不足・データの分断・透明性の欠如といった、長年の課題を解決することができます。DAOやトークン化、オープンデータ共有といった手法を用いることで、研究者の権限が強化されることに加え、協力体制が促進され、科学的な発見のスピードも高まるかもしれません。

現在、多くの有望なDeSciプロジェクトが、さまざまな科学分野において新しいチャレンジに取り組んでいます。DeSciをさらに発展させていくためには、規制の不確実性やDAOガバナンスにおける倫理的課題といった問題を乗り越えることが不可欠です。こうした課題を解決することで、より多くの人々がこのムーブメントに参加し、科学のブレークスルーを後押しし、私たちの生活の質を高めることが期待されます。

よくある質問：注目のDeSciトークン

DeSciとは？

DeSci（分散型科学）は、ブロックチェーン技術を活用して、よりオープンで協調的な科学コミュニティをつくる動きのことです。トークン・NFT・DAOといった仕組みを用いて、研究資金の調達や、データ共有、論文の公開をより自由で開かれたものにすることを目指します。

科学における分散化とは？

科学における分散化とは、意思決定や運営の権限を中央集権的な機関から分散し、ブロックチェーンのような技術を活用して、オープンアクセス・透明性・共同研究を促進することを意味します。

Web3におけるDeSciとは？

Web3におけるDeSciとは、分散型技術を科学分野に組み込むことで、研究活動・資金調達・成果共有などを、よりオープンで透明性のある、コミュニティ主導のエコシステムとして再構築する取り組みです。

DeSciは次の大きなムーブメントになるのか？

DeSciは、従来の科学研究が抱えてきた資金面の非効率性や不透明性といった問題に対する革新的な解決策を提供しており、今後の科学界において大きな変化をもたらす可能性があります。その意味で、「次のビッグウェーブ」として注目されています。

DeSci関連のトークンはどこで買える？

DeSci関連のトークンは、さまざまな暗号資産取引所で購入できます。たとえば、TangemウォレットではSUI DeSci Agents（DESCI）トークンが売買可能で、Uniswap V2（Ethereum）などでも取り扱われています。

DeSciのメリットは？

DeSciには、資金調達の民主化・透明性の向上・協力体制の強化・研究成果へのオープンアクセスといったメリットがあります。これにより、従来の科学システムにおける非効率な点を補完・改善します。

DeSciトークンとは？

DeSciトークンは、分散型科学プロジェクトに関連する暗号資産で、主に研究資金の提供やガバナンス、参加へのインセンティブとして使用されます。

SUI DeSciエージェントとは？

SUI DeSciエージェントとは、Suiブロックチェーン上で展開される分散型科学プロジェクトを担う主体のことです。科学的な協力とイノベーションを促進するために、ブロックチェーン技術を活用しています。

リサーチコインとは？

リサーチコインとは、科学研究を支援するために設計された暗号資産の一種で、資金調達の仕組みを提供したり、研究者の協力を促したり、知識の共有を推進する役割を果たします。

DeSciはどう機能するのか？

DeSciは、DAO（分散型自律組織）を活用して、資金を集め、研究プロジェクトに対する投票を行います。トークンを保有することで、そのプロジェクトへの投票権を持つことができます。これにより、研究活動がよりオープンでアクセスしやすくなります。さらに、研究者は独自のデータセットや発見をNFTとして発行することもでき、それによって所有権とコントロールを保持できます。この分散型のアプローチは、特に資源の限られた小規模組織にとって、有効な手段となります。

DeSciは既存の科学機関に取って代わるのか？

DeSciは、従来の科学機関を完全に置き換えるものではありませんが、代替的・補完的な役割を果たす存在です。資金の代替モデル・協力の促進・オープンデータの活用を通じて、既存の研究活動をさらに強化する手段となり得ます。

DeSciに関する倫理的な懸念とは？

DeSciには、DAOのガバナンスに関する倫理的な懸念があります。例えば、資金力のあるトークン保有者が投票結果を左右する「クジラ票」が発生する可能性があります。また、研究の透明性を保ちつつデータのプライバシーをどう守るかという点も、慎重な設計が求められます。

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