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暗号資産の将来性の見極め方【2025年版】

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Tangemチーム
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潮が引いたとき、初めて誰が裸で泳いでいたかがわかる。

ウォーレン・バフェットのこの言葉は、経済成長や市場の楽観ムードの中では、リスクや構造的な欠陥が見えにくくなることを示しています。流動性が豊富で資産価格が上昇している局面では、粗雑なプロジェクトや怪しいビジネスモデルでさえも、成功しているように見えることがあります。

しかし、経済が冷え込んだり、金融環境が引き締まったりすると、こうした脆弱性が一気に露呈します。

今回の記事では、暗号資産を評価する際に重要な指標として、時価総額・開発の活発さ・取引量などを中心にご紹介します。

 

なぜトークン評価が重要なのか?

2025年1月以降、暗号資産市場では新規トークンの価値が大きく下落しています。この背景には、新規トークンの急増による市場の飽和と流動性の低下が挙げられます。

2025年1月だけで、60万件以上の新規トークンがローンチされました。これは前年同月比で約12倍の増加であり、Pump.funのようなプラットフォームがこの拡大を後押ししました。この急成長により、投資家資金が失われるリスクや、こうしたブームの持続可能性について懸念が広がっています。

実際、多くの新規トークンがローンチ直後に価格暴落を経験しています。たとえば、2025年1月17日に登場したトランプミームコインは、最高値の73.43ドルから約90%下落し、8ドル前後まで暴落しました。

また、アルゼンチンのミレイ大統領が推進した$LIBRAトークンは、ローンチからわずか40分で5.20ドルまで急騰しましたが、その後85%も急落し、およそ44億ドルの時価総額が失われました。

さらに、AI関連トークンであるAI Rig Complex(ARC)、Elizaos(AI16Z)、Virtualsなども、2025年1月以降に時価総額が75〜90%減少しています。

こうした状況から、新規トークンに投資する際には、明確なユーティリティ・透明性のあるトークノミクス・持続可能な成長戦略の有無などを、しっかりと調査することが非常に重要であることがわかります。

 

トークンの将来性をどう見極めるか?

トークンの寿命や価値を見極めるには、複数の視点から評価する必要があります。例えば、TVL(預かり資産総額)・時価総額・開発の活発さなどの指標は役に立ちますが、それだけでは不十分です。

以下に、トークンを多角的に評価するためのフレームワークをご紹介します。

 

1. 開発の活発さ(コミット数、GitHubリポジトリ)

開発アクティビティは、プロジェクトの健全性・継続性・技術的な進展度合いを示す、重要な指標です。継続的なコミットは、開発チームが積極的に構築・改善・保守を続けていることを示します。一方で、放置されたリポジトリや更新が停滞しているプロジェクトは、資金不足や優先度の低下を示している可能性があり、投資家にとっては注意すべきサインです。

チェックポイント:

  • 継続的な開発:
    一時的な盛り上がりだけでなく、数か月から数年にわたる安定した活動が行われているかどうかを確認します。ローンチや資金調達のタイミングだけで急に活発になるプロジェクトは、持続性に欠ける可能性があります。
     
  • 貢献者数:
    開発者が一人しかいないプロジェクトは、たとえ更新が多くてもリスクが高まります。安定して複数の開発者が関与しているかどうかをチェックしましょう。
     
  • ロードマップの進捗状況:
    公開されている計画通りに開発が進んでいるか、マイルストーンが順調に達成されているかを確認します。
     
  • コミットの質:
    単にコミット数が多いだけでなく、内容の実質的な意義を見極めることが大切です。READMEファイルの編集やコード整形のような形式的な変更だけが多い場合、実質的な進展はないかもしれません。

 

2. TVL(Total Value Locked:預かり資産総額)

TVLは、プロトコルに預けられている資産の総額を示す指標であり、レンディング・ステーキング・流動性供給などの用途が含まれます。これは、そのプロトコルの実用性と信頼性の両方を測る上で有効です。

チェックポイント:

  • TVLの成長と価格の関係:
    トークン価格が横ばいまたは下落している中でもTVLが伸びている場合は、実際の利用が進んでいる可能性があります。これは単なる投機的な関心ではなく、実需による成長を示しています。
     
  • 分散状況:
    預け入れられた資産が一部のコントラクトや大口投資家(いわゆる「クジラ」)に集中していないか確認します。資産が幅広く分散されているプロジェクトは、より安定した成長が期待できます。
     
  • 競合との比較:
    同じジャンルのプロトコルと比較することで、どのプロジェクトが市場シェアを獲得しているかを判断できます(例:Uniswap vs. SushiSwap、Aave vs. Compound、Lido vs. Rocket Poolなど)。
     
  • 流動性の質:
    一時的なインセンティブ(流動性マイニングや高利回り報酬など)に依存したTVLは、報酬が終了すればすぐに資金が流出する可能性があります。本質的な価値や使いやすさに基づいて流動性が保たれているプロジェクトであるかを確認しましょう。
     

プロジェクトによるインセンティブ(イールドファーミング、流動性マイニング、一時的な報酬など)は、短期間でTVLを膨らませることがあります。しかし、こうした資本はインセンティブがなくなるとすぐに撤退してしまうケースがほとんどです。

 

3. 時価総額と完全希薄化後の評価額(FDV)

時価総額と完全希薄化後の評価額(FDV)は、暗号資産プロジェクトが市場でどのように評価されているかを示す重要な指標です。時価総額は現在流通しているトークンの価値を、FDVは将来的に流通可能なトークンをすべて含めた評価額を表します。

強気相場では、プロジェクトの時価総額が実際の普及度合いや実用性ではなく、ナラティブやインフルエンサーの影響によって急上昇することがあります。そのため、リアルな普及度合いや、コミュニティの活発さ、ロードマップの進捗などに注目することが重要です。

 

4. ユーザー指標と普及状況

ユーザーに認知されることは、プロジェクトの生命線です。これはプロダクトマーケットフィットを裏付け、トークンの実用性を高め、継続的な開発とエコシステムの成長を促します。ユーザーから見向きもされないプロジェクトは、たとえ優れた技術を持っていても、市場から姿を消してしまう可能性があります。

注目すべきポイント:

  • デイリーアクティブユーザー(DAU)とユニークウォレット数:
    DAUの増加は、関心の高まり、ユーザーの定着、継続利用の度合いを示します。持続的な成長は、プロダクトの改善や戦略的な宣伝活動などに支えられていることが多いです。
     
  • 取引量と頻度:
    取引量と頻度が高い場合は、実用性があり、エコシステムが活発に機能している証拠です。とくにプラットフォーム型プロジェクトでは、トークンの保有にとどまらず、取引やレンディングの活動があるかどうかを確認することが重要です。
     

一部のプロジェクトでは、ボットなどによって指標を人為的に操作していることがあります。リアルな普及状況を判断するには、成長スピードの一貫性やウォレットの多様性、DiscordやXなどでのコミュニティの活発さを確認することが有効です。

 

5. トークン設計とインセンティブ

トークノミクスは、暗号資産プロジェクトの持続可能性・寿命・トークンそのものの価値に直結します。設計が不十分なインセンティブ構造では、成長が一時的に終わり、ユーザーが離れてしまうことがあります。

注目すべきポイント:

  • トークンの実用性(ガバナンス以外):
    トークンはエコシステム内で実用的な役割を果たすべきです。単なるガバナンス投票に使われるだけでなく、サービスの支払い、機能の利用、報酬のステーキングなどが可能であることが望ましいです。トークンの実用性が薄い場合、時間とともに需要が減っていく可能性があります。
     
  • インフレ・デフレ設計:
    ステーキング報酬やマイニングによるインフレ設計は参加を促しますが、需要とのバランスが取れていなければ価格が下がる原因になります。トークンのバーン(焼却)や買い戻しによるデフレ政策は価格の押し上げにつながりますが、供給が少なすぎるとユーザーの参加が制限されるリスクもあります。
     
  • ユーザー・開発者・投資家の利害調整:
    すべてのステークホルダーが公平に利益を得られるよう、インセンティブが適切に設計されていることが重要です。
     

高利回りや定期的な報酬配布によって一時的にユーザー数が増えることがありますが、それらのインセンティブ期間が終了するとユーザーが一気に離れることもあります。段階的な報酬設計や、長期での利用にメリットがあるトークンモデルを評価するようにしましょう。

 

6. ガバナンスとコミュニティ

市場が大幅に下落したときや、困難な状況に直面したときに、プロジェクトの継続を支えるのはコミュニティの力です。活発で献身的なユーザー層が存在すれば、外部環境が不利なときでも、エコシステムの維持・発展が可能になります。

注目すべきポイント:

  • ガバナンスの分散性:
    プロジェクトの意思決定権が誰にあるのかを見極めましょう。理想的には、初期投資家や開発チームに集中せず、広く分散されていることが望ましいです。
     
  • 投票参加率とフォーラム活動:
    成功しているプロジェクトでは、ガバナンス投票への参加が活発で、フォーラムやDiscord上で意見交換や議論が盛んに行われています。
     
  • 意思決定の透明性:
    健全なプロジェクトでは、提案のタイムライン、投票記録、変更理由などが誰にでも確認できるようになっています。
     

コミュニティの空気は、市場動向・リーダーの判断ミス・物議を醸す決定などが原因となり、急変することがあります。そのため、困難な状況でもチームがどのように対応するか、継続的に情報発信しているかなども重要な観点です。

 

まとめ

暗号資産を評価するには、徹底的なアプローチが必要です。もはや、プロジェクトによる宣伝広告やホワイトペーパー、短期的な価格変動だけにとらわれるのではなく、トークンがもたらす真の価値、資本の効率的な活用、ユーザーの維持率、コミュニティの健全性、競合優位性といった、ファンダメンタルズをより深く掘り下げる必要があります。

  • 実社会の課題を技術で解決しているか
     
  • 単なる利回りではなく、「リアルな関心」を集めているか
     
  • TVL・ユーザー数・エコシステムが持続的に成長しているか
     
  • ガバナンス・透明性・セキュリティを重視しているか
     

2021年のような「ストーリーベース」の時代から、リアルな実力が問われる時代へと移行しています。今こそ、ファンダメンタルズを重視する姿勢が求められています。

 

よくある質問:暗号資産の将来性の見極め方【2025年版】

時価総額は今でも評価の指標になる?

時価総額は市場の期待を示しますが、実際の利用状況や収益性を示すものではありません。FDVやトークン供給数、時価総額と収益・TVLなどとの関係もあわせて評価することが大切です。

トークンの実用性は評価にどの程度影響する?

非常に大きな影響があります。実用性のないトークンは時間とともに消えていく傾向があります。生存力が強いトークンは、ガバナンスやガス代、担保、機能へのアクセスなど、プロトコル内で実際に使われているものです。

TVLが“本物”かどうかはどのように見分けられる?

利回り目的の一時的な資金流入か、それとも報酬期間の終了後も利用が続いているかを確認しましょう。複数のdAppsで利用されているか、ウォレットやLP(流動性提供者)の離脱が少ないか、といった観点も有効です。

トークンのロック解除や放出スケジュールは気にすべき?

はい。急なアンロックは価格下落の原因になります。トークンのトップ保有者(創業者、投資家、金庫など)や、ロック解除スケジュールを確認しましょう。

オンチェーン指標は2025年も信頼できる?

以前にも増して信頼性があります。ユーザー数の推移・取引量・リテンション率・金庫の健全性など、オンチェーンデータはSNSや価格チャート以上に正確な状況を伝えてくれます。

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著者紹介 Tangemチーム

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